ウェブトゥーン産業実態調査に見る海外市場の見通し、作家に対する海外からのオファー、AI活用の実態
■ウェブトゥーンの直近の市場動向
その前に簡単にサマリーを載せておこう。
韓国ウェブトゥーン産業はプラットフォーム(PF)売上高が前年比25%増の1兆4094億ウォン、コンテンツプロバイダー(CP)企業の売上高は7795億ウォンで11.1%増加、産業全体の規模は2兆1889億ウォンと推定。
・収益構造
有料コンテンツ収益が全体の67%を占める。
二次著作権収益(キャラクター商品化等)が4.6%で成長傾向。
輸出収益は全体の14.1%を占め、前年比5.5%増加。
ウェブトゥーン作家の平均年収は4268万ウォン。ただし55.3%の作家が週50時間以上の創作活動に従事し、過重労働は毎年報告書で指摘されているが、改善の見込みは立っていない。
■韓国から見た海外市場/輸出の現在と見通し
『ウェブトゥーン産業実態調査2024』では海外市場の動向と展開について
・2023年にはウェブトゥーンの輸出は前年比15%以上増加し、BLがとくに目立った
・2024年には輸出では日本市場は好調、ヨーロッパではプラットフォームが多数撤収。北米とヨーロッパはウェブトゥーン・フォーマットよりも単行本の出版契約を中心に市場拡張
・中国市場は景気後退で減少。輸出、現地の制作・編集いずれも減少
・輸出企業の78.4%が10万ドル未満の小規模輸出
・2024年の輸出規模は横ばいか小幅増加程度で着地
今後の予想としては
・国内CPは約50の事業体に縮小するだろう
・日本とアメリカでは現地のプラットフォームやCPの追撃が本格化し、韓国の事業者は圧迫される
と見込まれている。
日本のマンガ業界では「北米のデジタルの売上」が有望視されているが、韓国では「欧米ではウェブは無料で読ませて、売るのは紙じゃないと厳しい!」というトーン
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- ■ウェブトゥーン作家に対する海外からのオファー
- ■作品制作におけるAI活用
- ■筆者が見聞きした事例
- ■中国のコンテンツ産業のIP展開はなぜ大半が失敗に終わるのか
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