新刊『9割の日本人のための「ゆる読書」入門』8/4頃発売
めずらしく仮タイトルにしていた書名がそのまま通りました。
読書論の本であり、読書観自体がひろがっている近年の国内外の動向をまとめた本でもあります。
日本人は青年(16才)以上になるとどの年代でも9割くらいのひとは書籍の平均読書冊数が2冊以下です。これは長年そうで、最近始まったことではありません。
本好きのほうが圧倒的にマイノリティであるにもかかわらず、「読書をどうやって広げていくのか」ということを考える立場にいるのは1割側であるというむずかしさがあります。
にもかかわらず、たとえば読書バリアフリー、アクセシビリティの議論は、どういうわけか本好きよりはるかに少ないマイノリティのためにやる「特別なもの」みたいなイメージが蔓延しています。
しかし、たくさん読めるひとのほうがそもそも割合的に少ないわけです。
月7冊以上書籍を読む人の割合は青年以上では人口全体の2~3%、一方で、漢字の読みに困難を抱えているひとは少なく見積もって日本人全体の5%~8%いると見られています。本好きのほうが、漢字が苦手な人よりはるかに少ないのです。
ディスレクシアのかた以外も含めて、そんなに読めないし読まない側のほうが大半を占めているのですから、読書を誰にでも届き、入りやすいものにしていくことが、9割側の圧倒的多数のひとの利益になる――まあ、ここで「9割」とざっくりまとめた側の内訳のなかに、あまりにも多様なひとたちがいて、なにかひとつやれば万事解決とはいかないのがむずかしいところですけれども。
ともあれ「活字」という表現に象徴されるようなふるくてせまい読書観では、ぜんぜん届いていない、刺さらないひとが現にたくさんいるのです(ただこれは「そういう価値観を捨てろ」ということではなくて、個々人が好きなものやしっくりくるものはたいせつにしてほしいですが、みんなだれでも同じようには思わないし感じてもいないということを入り口にしましょう、という話です)。
こういった問題意識を出発点にして、読書をひろくとらえ、いろいろなかたちの読書やそれに付随するもろもろの行為を肯定することで、すそ野をひろげて入りやすくする、あるいは、「今までは読書してるなんて思っていなかったけど、もう『読んで』いた」と気づいてもらい、ポジティブに感じてくれるひとが増えたらいいなと思って書きました。
サブタイトルには「新しい読書推進」と入っていますが、読書推進や本の現場になにかしらのかたちで関わるひとたち、読書をひろげたいなと思っている方々にまず読んでもらいたいと思っています。具体的に読書を推進する企画を考えたり、予算を付けたり、実務で日々本に携わったりしているみなさんのことを大きな想定読者層のひとつとしながら書きましたので、何かしら参考や刺激になればありがたいです。
※書店や図書館の方で仕入/選書の参考にしたいorイベントしたいから事前に中身が見たいという方はichiiida@gmail.comまでご連絡いただければゲラのpdfを送ります。あくまでバイヤーの方向けのご案内ですので、それ以外の皆さまは発売までお待ちください
いつもは告知をまとめてするのですが、今月来月は仕事がパンパンでして、、、今週もいっぱいいっぱいなので、最近の仕事の告知は来週に。あ、ひとつだけ。
6月10日夜にオンラインで講座をやります。このNewsletterに書いたことがきっかけでお声がけいただきました。なので宣伝しないわけにはいかない笑
部署が違うだけで同じ出版社や書店のなかでも「なんであのひと、あんなこと言ってるんだろう」と思うことがしばしばありますが、書店や出版社、取次や図書館といった立場・仕事が違うとお互い「なんでそんなことするのか?」「なんで融通きかないの?」と思うことがいろいろあると思います。そのあたりの素朴な疑問から掘り下げて、お互いの事情を知って全体像をつかもう、という出版業界入門講座です。主に学生や20代の若手の方々や出版の隣接業界を想定して基本的な話からしますが、疑問に対してちゃんと答えようとすると結局ディープなところまでいきそうだな……とスライドを作りながら思っているところです。
アーカイブ配信もありますので、リアタイでなくてもぜひ。
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