構成を担当した本リスト

単行本の構成仕事(著者が語りおろしたものを聞き書きでまとめる仕事)も年に2、3冊やっているのですが、「どんな本を?」と聞かれることがたびたびあるので改めてまとめておこうと思います。
飯田一史 ichishi iida 2022.10.01
誰でも

2015年刊。これが最初。ロボット研究者の石黒浩・大阪大学特別教授が作ってきたものとそこからの示唆をまとめたもの。これ以降、石黒さんからたびたびお声がけいただいて本を作っています(実は今も)。

石黒浩『人はアンドロイドになるために』(筑摩書房)

これは小説なので構成仕事かというと違いますが……。

石黒浩『こころをよむ 人とは何か』(NHK出版)

NHKのラジオ講座の書籍化。

中野信子『サイコパス』(文春新書)

石黒本を見て同じ編集部の別の編集者からお声がけいただき。僕の単行本構成仕事で一番売れたものです。

中野信子『不倫』

これもその流れで。

出口治明『0から学ぶ「日本史」講義 古代篇』

「週刊文春」連載。古代篇のみ担当。

■スモール出版仕事

署名ドットコム『サイン・署名の作り方』

スモールの社長・中村さんとは古い付き合いでして、その流れでお声がけいただき、何冊かご一緒しています。

西寺郷太『始めるノートメソッド』

西寺さんの講義をまとめたもの。ただ、まとめたあとほぼ全面的に西寺さんの手が入っています。

ダンカン『ダンカンの企画書』

ダンカンさん、テリー伊藤さん、浅草キッドさん、そーたにさんのインタビューパートをまとめました。本のほとんどはダンカンさんが書いた手書きの企画書で、そこはノータッチです。

■マンガ、アニメ、ゲーム系仕事

藤田和日郎『読者ハ読ムナ』(小学館)

この本に至る経緯の前段を話すと長いのではしょりますが、以前からお世話になっていた(当時)小学館の三上信一さん(どんな人か知りたい方は島本和彦先生の『アオイホノオ』を読んでください)からやはりマンガ編集者の武者正昭さんを紹介いただいて、武者さんは藤田先生の初代担当編集だったわけですが、「藤田和日郎の職場からは次々マンガ家が巣立っている。何か理由があると思うから、仕事場でどんなことを指導しているのか本にしたい」とのことで、藤田先生の仕事場にお邪魔してお話をうかがい、「新人マンガ家がサンデーで連載に至るまで」というストーリー仕立てでまとめました。熱い本です!

週刊少年ジャンプ編集部編『描きたい!!を信じる-少年ジャンプがどうしても伝えたいマンガの描き方』(集英社)

これは『読者ハ読ムナ』を読んだジャンプ編集部(正確にはオファーをくれた時点では別部署に異動しており、その後ジャンプ編集部に復帰)の斎藤優さんからお声がけいただいたのがきっかけ。斎藤さんは『ニセコイ』の担当をしていたころに僕の最初の単著を読んで連絡をくれたというなかなか奇特(稀有)な方で、創作指南本マニアなんですよね。この本は、斎藤さんが語ったノウハウやメッセージを、新人マンガ家と編集者との問答形式でまとめました(作家アンケートなど、それ以外のパートはタッチしていません)。

福原慶匡『アニメプロデューサーになろう!』(星海社新書)

僕が星海社から本を出している関係で声がかかり、まとめました。福原さんの実務経験およびデジハリでの修士課程の研究の総まとめですね。アニメ業界、動きが速いので制作費の相場とか今と違うところもありますが、アニメ製作の大枠、全体像を示している点で今も類書がないと思います。

福原慶匡・やしろあずき『クリエイターとクライアントはなぜ不毛な争いを繰り広げてしまうのか?』(星海社新書)

これは福原さんからやしろさんと対談でこのコンセプトの本を作りたいということで取材・構成しました。

ジョン・ハンケ『ジョン・ハンケ 世界をめぐる冒険 グーグルアースからイングレス、そしてポケモンGOへ』(星海社)

ワールドワイドに見たらこの仕事が一番でかい。これは成り立ちが特殊です。もともとは別の方が聞き手の中心となったロングインタビュー本として『Ingress』のころから動いていたものが、『ポケモンGo』が特大ヒットになってハンケの時間が取れなくなり、いろいろあって、「今ある素材で本にまとめられないか」と打診を受けて制作。だから僕はジョン・ハンケに直接一度も話を聞いていません。インタビューのデータを元にハンケの一人称の語りにして、その人生を時系列にまとめ直しました。

■ビジネス書

岩佐大輝『成功する農業』(朝日新聞出版)

岩佐さんはIT業界から311を期に地元・宮城県やインドでブランドイチゴ「ミガキイチゴ」を先端技術を駆使して作る農業経営者に転身した起業家です。グロービスMBAでファイナンスのクラスなどをいっしょに受講していた仲でして、そのころから「本を作りたい」ということで、ふたりで何度もいろんな企画を練っては出版社に持ち込んでいました。で、新規就農者向けの農業経営本として実現。新規就農者向けのお金が関わる部分の情報ってあちこちに散らばっている上に順序立てて説明し、素朴な疑問に答えてくれている本がなかなかなかったので、そこをきっちりわかりやすく整理しました(どうやって植えて収穫するのかという農業部分には触れていません)。農業ビジネスの売上・費用の構造はどうなっているのか、何がマネジしやすく何がしにくいのかといった基本をMBA的にまとめています。

実はロングセラーで、年1回くらい重版しています。

ほかに、原稿の制作はしたものの著者や会社都合でお蔵入りした企画が記憶にある限り5冊。テーマ的にはビジネス書、ロボット、ゲーム、マンガ編集、言語(ポピュラーサイエンス)です。

今年やったもので僕からは手離れしたものが一冊、ほぼ作業が終わりかけのものが一冊あり、どちらも来年には出るんじゃないかなと。

今後もジャンルを問わず、やっていきたいと思っています。

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