東南アジアの新聞におけるBookTok、ウェブ小説(web novel)の報道2021-2025.1
■Content creator Hamsavalli Dorairaju on her favourite bookstoresコンテンツクリエイター、ハムサヴァリ・ドゥライラジュが語るお気に入りの書店
2025.02.02 TheStraitsTimes(シンガポール)
コンテンツクリエイター兼マーケティング担当のHamsavalli Dorairajuハムサヴァリ・ドゥライラジュ(30歳)。Bookstagramでは@thebrowngirlreads、BookTokでは@thebrowngirllifeとして知られる人の好きな書店を紹介。
※このアカウント、なぜかなくなっている
■Nurse Fatin Fathiah Aidil squeezes reading into spare moments看護師ファティン・ファティアー・アイディル、空き時間を見つけて読書を楽しむ
2025.01.19 TheStraitsTimes(シンガポール)
Fatin Fathiah Aidilファティン・ファティアー・アイディル(@thiahslibby、22歳)の紹介記事であり、看護師であるBookTokerの読書実態を伝えるもの。彼女は、BookTokを使ってロマンス読者の仲間たちのコミュニティを作り、興味のある他のジャンルも探求している。
「現在、アレクサンドラ・リーの『スターストラック』の先行読者用コピー(ARC)を読んでいます。BookTokとBookThreadsで見つけたんです」
シンガポールでは著者がBookTokerや読者からのレビューを集め、宣伝を促すために、正式な発売の数週間または数か月前にARCを配布することがよくあるという。著者から直接連絡が来るか、サインアップリンクが提供される。
彼女はAmazonで本を買うことが多いが、本屋に行くときは紀伊國屋書店とポピュラーを使うという。どちらも幅広い品揃えがあり、立ち寄って探しているものをすぐに手に入れることができるからだ。それからアジア文学を専門とするブック・バー。お気に入りの活動の一つは、ブック・バーが主催するサイレント読書イベント『ブックワーム・バンター』に参加すること。
彼女はオーディオブックがマルチタスクができるので便利だと語る。
2024年の忘れられない一冊として、吉本ばななの『キッチン』を挙げる。「私たち全員が異なる方法で悲しみを乗り越えるのですが、この本で私が気に入ったのはそこです。吉本さんは死と悲しみについてとてもシンプルに書いているのに、深く感動しました」
※このBookToker、フォロワーが1200人しかいないのだが、なぜ取り上げられているのか謎。
■Book culture isn't dead, it's just evolving書籍文化は死んでいない、進化しているだけ
2024.11.10 TheStraitsTimes(シンガポール)
アメリカの雑誌「アトランティック」が「アメリカの有名大学の学生が本を最初から最後まで読むのに苦労しているという記事を掲載したが、シンガポールでも同じような状況が広がっているようだ」と始まる。
シンガポールの公共図書館では本の貸出数は2019年のパンデミック前は4050万冊だが、国立図書館委員会(NLB)は2023年の紙媒体とデジタル媒体の貸出数は3630万件で、2022年より230万件減少したと発表した。
2021年の調査によると読書をとても楽しんでいると答えた学生の割合が縮小していることが報告され、シンガポールでは51%。2016年の55%、2011年の60%と比較して減少している。
インディーズ書店も大手書店も規模を縮小したり、廃業したりしている。
「しかし、これが物語の半分で、私たちが間違っているだけだったらどうだろうか?」というのが本題である。
オーディオブックは、外出先での読書を容易にし、Booktube、Booktok、Bookstagramの台頭により、人々は会ったことのない人たちと本について議論できるようになった。連載されているウェブ小説の中には、数百の章があり、何千人ものファンを獲得しているものもある。
「書籍文化は死んでいない。現代の読者の求めに合わせて変化しているだけなのだ」これがこの記事の主張である。
NLBの2021年国民読書習慣調査を詳しく見ると、人々は本よりもニュースを読む可能性が高いが、週に1回以上本を読むと答えた人は34%で、2016年の19%から増加。紙媒体の本を読む人は減っているが、電子書籍やオーディオブックを読む人の割合は増加。オンライン読書コミュニティからのおすすめを受けると答えた人の割合は2016年の8%から19%に増加した。
「オーディオブックは紙媒体の本を補完する。読書の異なる方法であり、子供たちを読書に引き込むことができます」と、国立教育研究所の英語・文学学術グループの副部長(研究)であるロー教授は言う。
また、韓国のウェブ小説『俺だけレベルアップな件』のように、いくつかの本は元のフォーマットを超越しているとも指摘する(シンガポールでは小説版がペーパーバック化されている)。
「ソーシャルメディア、ウェブ小説、オーディオブックが読書について話すときに中心的な位置を占めるべきではないと確信している人のために、私はこう言いたい。チャールズ・ディケンズや金庸の作品など、現在多くの人が文学の基礎とみなしている本は、連載小説として始まったのだ」
※この話は私も『ウェブ小説の衝撃』で言及している
■What to do
2024.09.20 TheStraitsTimes(シンガポール)
39+アートスペースでマレーシアのグラフィックノベリスト、Erica Engエリカ・エンがシティブックルームでデビューグラフィックノベル『Fried Riceフライド・ライス』(2024年)について語るイベント告知の記事。
Erica Eng は2020年のウィル・アイズナー・コミック・インダストリー・アワード(コミックブックのオスカー)でベストウェブコミック賞を受賞。アイズナー賞にノミネートされ、受賞した最初で最年少のマレーシア人作家。
『フライド・ライス』は、2019年にTumblrでウェブコミックとして始まり、2022年まで連載。半自伝的な物語で、アメリカでアニメーターになることを夢見るミンのという名の十代の少女を追っている。
■Science and Chinese dramas the stuff of debut young-adult fantasy科学と中国ドラマが織りなす、若年層向けデビューファンタジー
2024.08.04 TheStraitsTimes(シンガポール)
シンガポールの作家Amber Chenアンバー・チェンと彼女のデビュー作であるYA向けファンタジー「Of Jade And Dragons翡翠と龍の物語」の紹介記事
チェンはTikTokアカウント@amberwrites88で、視聴したドラマのレビュー、おすすめ、最新情報を投稿。
彼女の執筆はアジアのファンフィクションウェブサイトAsianfanficsで始まり、実在の人物に触発された物語を公開し、お気に入りの俳優や歌手をキャラクターとして起用した。
その後、彼女はWattpadでオリジナルの物語を投稿するようになり、2019年に、Wattpadチームからスカウトされ、2018年から2020年にオンラインで公開された彼女のウェブ小説「The Cutting Edge」がシンガポールのメディア企業Mediacorpメディアコープに売り込まれ、現地のストリーミングサービスmewatchで8話のミニシリーズに翻案されてドラマ化された。
※Wattpad発の映像化といえば『アフター』などアメリカのものが多いが、東南アジアでもWattpadスタジオが映像化権のエージェント業および自ら映像化を手掛けていることがわかる。
■China's micro-dramas face very tough restrictions中国のマイクロドラマが非常に厳しい規制に直面
2024.04.26 TheStraitsTimes(シンガポール)