韓国、中国企業の漫画・webtoon関連記事まとめ:フランス、北米の動向

IMARTのウェブトゥーンパネル登壇に向けてニュース、記事の情報を情報整理したのでシェアします。ニュースのセレクトはKOCCA JAPANのKOCCA Content Biz NewsとJETRO上海コンテンツBizニューズレターで紹介されたものも参考にしています。韓国語からの翻訳はPapago、英語と中国語からの翻訳はDeepLを使っています
飯田一史 ichishi iida 2022.10.11
誰でも

・2022年3月からサービスを開始したフランスのピッコマは、フランスで選好度の高い日本式漫画(漫画)とモバイル環境に最適化されたウェブトゥーンを同時に提供。 日本とフランスの出版社が保有している作品を追加し続けている。

【産業リポート 沸騰する漫画アプリ】--INTERVIEW カカオピッコマ社長 金 在龍--「私たちの競争相手は漫画業界の外側にいる」 2021.12.18 週刊東洋経済 第7026号 83頁 

 すごく売れる作品もあるが、まったく売れない作品もあるのが現状だ。プラットフォームとしては売り上げの合計値が上がれば成長だが、私たちはうまくいっていない作家に関心がある。調達資金を活用して、なぜ作品が売れていないのか、こんな傾向がある、といった情報を作家に提供したい。また、グローバルな展開も視野に入れている。フランスでは、日本の漫画が翻訳されて単行本で読まれるまで7カ月もかかる。これは時代にそぐわない。今後は海外の漫画好きたちをつなぐことをしたい。21年9月にはピッコマヨーロッパが設立された。これからは欧州をはじめ、海外に漫画をつなげていくことにかなり投資をしていく。まずはフランスで(漫画アプリ事業を)始める。

日本で「うまくいっていない作家」に対する施策はまだ道半ばな気がします。情報提供も。

北米

カカオ、武侠専門ウェブ小説プラットフォーム「Wuxiaworld」を買収

KAKAOエンターテインメントが、世界最大の武侠ウェブ小説プラットフォーム「Wuxiaworld」を買収しました。 今回の買収は5月にKAKAOエンターの参加に入った北米ウェブ小説プラットフォーム「ラディッシュ」の元で行われます。KAKAOエンターは、Wuxiaworldの買収を通じ、北米ストーリーIPトライアングルを構築し、北米市場の攻略にさらに拍車をかける方針を明らかにしました。

これ一応「北米」に入れたけどWuxiaworld自体は香港の英語プラットフォームなんですよね。なぜ中華系武侠もので北米攻略と言っているのか文脈がよくわからない。

KAKAOエンター、tapasとRadishの合併を発表

KAKAOエンターのイ·ジンス代表は「本合併は北米ストーリーテリング産業の進化を導く転換点になるだろう。tapas、Radish、ウシアのIPと韓国IPを結合し、3年内にグローバル取引額3倍、北米取引額5千億ウォン達成を成し遂げる予定」と明らかにしました。​

韓国が育てたウェブコミック、米国で最高権威の漫画賞席巻 2022.07.25 朝鮮日報 文化総合 

・ウェブコミック『ロア・オリンパス(Lore Olympus)』が22日(現地時間)、「アイスナー賞(Eisner Awards)」の今年のベスト・ウェブコミック部門受賞作に選ばれた。同部門で漫画のカットが縦に配置されたスクロール型のウェブコミック作品が受賞したのは初。『ロア・オリンパス』はギリシャ・ローマ神話を再解釈したラブストーリーで、2018年に韓国のウェブコミック大手「ネイバー・ウェブトゥーン」が見いだし、米国と韓国で同時連載中。ニュージーランド出身の漫画家レイチェル・スマイス(36)が授賞。昨年は米国のもう一つの有名な漫画賞「ハービー賞(The Harvey Awards)」のデジタル図書部門で受賞して紙の冊子で出版され、同年12月には米紙ニューヨーク・タイムズのベストセラー1位に。全世界の累計照会回数は12億回。

ニュージーランド人がギリシャ神話ネタで韓国のプラットフォームで連載してアメリカのマンガ賞を獲ったという話。『ロア・オリンパス』を読んでも僕はさっぱりおもしろさがわかりませんが、こういう混淆はおもしろいと思います。

ドラマ、映画……規模が大きくなった「ウェブトゥーン大戦」

・ネイバーウェブトゥーングローバルストーリーテックプラットフォームにハイブ、DCコミックスも合流。キム·ジュング代表はストーリーテリング生態系の核心要素であり最優先事項として「プラットフォーム」を挙げた。 ネイバーは誰もが参加して自身の作品を披露できる「アマチュアコンテンツモデル」とネイバープラットフォームで正式連載されスーパーIPで成長可能な「オリジナルコンテンツモデル」を具現することにより、コンテンツプラットフォームの核心であるコンテンツとファンダムを確保した。 ネイバーのグローバルストーリーテックプラットフォームは、1億6700万人の月間ユーザーと600万人のクリエイターが活動するグローバル1位プラットフォーム。

キム代表はネイバーが初めて導入した後、ウェブトゥーンクリエイター収益モデルの標準になったPPS(PageProfitShare)プログラムを通じたクリエイター収益規模を公開した。 ネイバーは2013年、クリエイターにより安定的な収益を提供するために、既存の原稿料の他に広告、有料コンテンツ、IPビジネスなどプラットフォームが創出できるすべてのビジネスモデルをウェブトゥーンに融合したPPSプログラムを作った。PPSプログラムを通じて個人作家の最大収益は12ヶ月基準で約124億ウォンだった。 全体対象作家の12ヶ月平均収益は約2億8000万ウォン、最近12ヶ月以内にネイバープラットフォームで連載を新しく始めた作家の年間換算収益平均は1億5000万ウォンだった。ネイバーウェブトゥーンのPPSプログラムの全体規模は、この12ヵ月間、約1兆700億ウォンに達する。 ネイバーがウェブ小説-ウェブトゥーン-映像化につながるIPバリューチェーンを完成しただけに、今後PPSプログラムの期待収益はさらに増加するものと期待される。

・グローバルファンダムを持つエンターテインメント企業との協業を通じて外部のスーパーIPをウェブトゥーンやウェブ小説オリジナルコンテンツとして製作する「スーパーキャスティング」プロジェクトも披露した。「スーパーキャスティング」の最初の協業パートナーはハイブ(HYBE)とDCコミックスだ。 ネイバーウェブトゥーンは今後、BTS(BTS)をはじめとするハイブ(HYBE)傘下のレーベルの多様なアーティストとコラボレーションしたオリジナルストーリーでウェブトゥーンやウェブ小説を作ったり、DCコミックスの世界観やキャラクターを活用したオリジナルウェブトゥーンを提供する予定だ。

・『ユミの細胞』はグッドデータコーポレーションが発表した9月5週目のドラマTV話題性順位で4位を占めた。 ドラマが話題になり、原作のウェブトゥーンと関連したグッズに対する関心が続く好循環が発生したりもする。 ネイバーウェブトゥーンによると、ユミの細胞はドラマ公開後、原作ウェブトゥーンの日間再生数が30倍以上増加した。 またネイバーウェブトゥーンオンラインストアである「ウェブトゥーンフレンズ」で販売中のユミの細胞たちグッズもまた売上が3倍以上増加し週間販売ランキング最上位圏を記録した。

NAVERウェブトゥーン作品、漫画界初のオスカー賞受賞

・アイズナー賞は今年はベストウェブコミック部門に5つの作品がノミネートされ、そのうちの2作品がNAVERウェブトゥーン、1作品がカカオエンターテインメントの作品。『ロア・オリンパス』の作家であるレイチェル·スマイス氏(Rachel Smythe)は2017年4月にNAVERウェブトゥーン新人作家の登竜門である「CANVAS」で『ロア・オリンパス』の掲載を始めたところ、正式オファーを受け2018年3月から本格的な連載が開始した。同作品は英語·スペイン語·フランス語·インドネシア語·日本語·韓国語·ドイツ語の7言語に翻訳され、グローバル累積閲覧数は12億回を突破。

・韓国内でアマチュアウェブトゥーンクリエイターの養成所兼デビュー舞台の場として展開している「挑戦漫画」を海外では「CANVAS」という名前で導入したが、現在82万人のクリエイターがネイバーウェブトゥーンプラットフォームで活動しており、140万個の作品が掲載されている。CANVASは、韓国で成功した作品の販路を海外に広げるという従来の流通方式とは異なり、現地作家の育成にフォーカスを当てた環境を整え、それぞれの国に合わせた攻略法を柔軟に導入したことが特徴だ。NAVERウェブトゥーンが2020年以降英語圏ウェブトゥーン作家に支払った収益は2700万ドル(約350億ウォン)を超えた。 また、2021年英語圏ウェブトゥーン作家の収益は2019年と比べ75%増加した。

・韓国で人気を得て海外に進出する作品も着実に増えていて、韓国コンテンツ振興院の調査では、2020年時点で翻訳された韓国ウェブトゥーンは約5500件と集計された。 このうち2300作品はNAVERウェブトゥーンが輸出した作品だ。

カカオエンターテインメント、新規北米合併法人「タパスエンターテインメント」発足

・合併以前に閲覧回数2000万回を記録した「The Beginning After The End(最強の王様、二度目の人生は何をする?)」などの人気ノベルコミックスを着実に発表してきたタパスエンターテインメントは多数のウェブ小説IPを保有するラディッシュ、世界最大規模のアクションファンタジーや武侠ジャンルのIPを備えたウシアワールドとの合併を通じ、より積極的なノベルコミックスを展開するための基盤を整えた。

・今後は、約10万人の規模にのぼるタパス、ラディッシュの現地創作者コミュニティとのコラボ企画も本格的に行われる予定。1万余りのオリジナルIPを備えたカカオエンターテインメントは、タパスエンターテインメントを前進基地として「Kウェブトゥーン」の興行をリードする計画だ。1%未満のカカオエンターテインメントIPがタパス全体の売上70%を牽引するほどウェブトゥーンへの関心が高い北米市場に狙いを定めたのだ。タパスエンターテインメントは合併後初の歩みとして、8月18日~21日に米シアトルで行われたエメラルドシティコミコン(ECCC)に参加。

イギリス

韓流:ネイバー、韓国発ネット漫画を3カ国語で配信へ 2014.04.13 朝鮮日報 文化総合 (全1,692字) 

 ネイバーは8日(現地時間)、英国ロンドンで開幕した「ロンドン・ブックフェア」に展示館を設け、「Noblesse(ノブレス)」「神の塔」など韓国で人気の漫画作品20本以上を世界各国のバイヤーに紹介した。ネイバーは今年下半期にウェブトゥーン・サービス「LINE(ライン)ウェブトゥーン」を世界で開始する予定だ。

ウェブトゥーン関連のイギリスのニュース、検索した限りではこれだけ。しかしブックフェアやコミコンに地道に出展して出版・コミック関係者に認知してもらう、各地で小さくてもビジネス広げていくのも重要。

日本

「このウェブ漫画、日本のだったの?」 2018.07.08 朝鮮日報 文化総合 (全1,294字) 

・ネイバーは台湾の漫画家・阿慢のホラー・コミック・ウェブ漫画『百鬼夜行誌』も連載している。

・レジンコミックスの場合、すでに日本(約300作品)や中国(約100作品)の作品があるが、完結した漫画を輸入・販売する方式から、新人を直接発掘して連載する方向へと進んでいる。2014年から「世界漫画公募展」を開催して日本・インドネシア・タイなどの外国人漫画家6人を発掘、叶輝(『ギフテッド』)、芹沢由紀子(『夜哭鬼』)など5人の新作を連載した。

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