首都圏の書店業の難しさ
明日9/19の13時半から、閉店するときわ書房志津ステーションビル店最後のブックフェスにて南陀楼綾繫さんと対談します。本屋について。宣伝&来られない方もおられるので配付資料から少し。

あくまで日販と契約している書店のことしかわからないのだけれど(日販のデータだから。そしてトーハンはもうデータを集計したものを刊行していないので、トーハン帳合書店が多い地域のことはまともに実態が把握できない)、千葉県や東京の書店を見ると2020年代以降、1店あたりの坪数(面積)が増えていない。
規模が小さく数が多い中小書店を中心に潰れてきた歴史があるため、残存書店を平均すると1店あたりの坪面積が伸びて見える、というのが従来語られてきたことだった(90年代後半~2000年代にメガ書店の新規出店が相次いでいた時期は実際に増えていたが、そのあとの時期の話)。
しかしもはや1店あたりの坪面積が伸びていないということは、小書店はあらかた淘汰されてしまってもう減りようがないうえに、中規模、地場チェーン、大手チェーンの書店でも――まさにときわ書房志津ステーションビル店がそうであるように――等しく減っているフェーズにある。と思う。

家計調査を見ると、首都圏の人は全国平均と比べて、本に使える絶対額がないわけではない。

千葉市の書籍代は減少傾向だったのが2020年代には持ち直している。雑誌は減っているけれど。

しかし、日販のデータから書店のひとりあたり購入額を見ると、千葉、神奈川、埼玉は全国平均を下回る。本に使えるお金は全国平均よりもあるはずなのに。
まあ、たいした話ではないし、みなさんも想像が付くだろうけれど、このことについての仮説はイベントで話そうと思っている。
本に支出できる所得がある地域だからといって、リアル書店の経営がラクになるわけではない。人口や交通量、所得が少ない地域とはまた別の難しさが、首都圏の本屋にはある。


そのむかし「新文化」で連載されて1998年に書籍になった『列島書店地図』という本に、90年代後半の全国各地の書店マップが載っているのだけれど、これといまGoogleマップで検索して引っかかる書店を比べると、胸がしめつけられる。
千葉の地場資本の書店の多くが姿を消しているからだ。大杉書店の本店も、太宰治が通ったという川奈部書店も。もちろん店売をやめただけで、外商は続けている店もあるだろうけれど。
ほんとうに、みなさん、通っていた本屋のことは、閉店しても忘れずにいてください。
そしてどこかに、少しでいいから、どんな店だったのかをぜひ書き留めてください。
個別の書店に関する史料は本当に少ない。
誰かが書いてアーカイブしなければ、どこにどんな本屋があったのか、どんなお店だったのか、どんな人がやっていたのか、あとの時代の人は知りようもなくなってしまう。

■告知
10月の読書週間合わせでこの本についての取材を受けたりしています(記事が出るのは少し先)
出ました。
来月出ます。10月、11月にイベントあります。詳細は追って。
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